2011/03/05

Hurdle

行き損じた。投薬開始となる診察。

忙殺気味な状況ではあるが、さすがにほぼ徹が続くと、疲弊してしまう。
“8時起床→翌日5時帰宅”を数日繰り返した結果、診察日には目覚ましにも会社からの電話にも気付くことなく、目覚めたら午後過ぎてる始末。

今回から診察日は形は休暇ということにしてる。
投薬開始で、処方された薬をたんまりと会社に持っていくことは避けたいし、投薬開始前の現状ですら既に、皮膚科だの内科だの薬はたっぷりと受け取っている故に、スーパーの買い物帰りのような荷物になってしまうから。

多忙な結果、診察日すら疲れ切って向かえなかったりしてる状況で、投薬がもたらすルールや継続に自分は対応できるんだろうか? そういう自問自答が、寝坊で一気に目が覚めた矢先に溢れてくる。規則正しくない自分なりのハードル。

結局、開き直って出社予定の夕方までのんびりと休息することにした。
予約はないが、診察はまた来週、行けばいい。HIVと皮膚科だけなら正午には終了できてるだろうし。

こんなに忙殺される生活のなかで、“いつHIVに感染する時間があるんだ?!”と我ながら思う。忙殺された毎日、ゲイエリアには近づかない日々。そんな自分に、自分で突っ込みを入れたくなる。

忙しくはしてるが、土日、割と休める時期だって状況に応じてちゃんとある。
恋は盲目というけど、睡眠時間を削っても“会いたい”と思える人が、その昔はちゃんといた。
その後、しこりが残るようなトラブルもあったりで、くっついたり離れたりを繰り返し、今は離れてる。もう会う機会はないと思う。

自分は、ゲイのSNSで何人かと出会った。セックスに至った出会いもあるが、そこまでには至らず、たまにメールを交わす知人にも巡り会えた。故に、これまでにセックスした相手は、無論、時間を削って夜な夜な会いに行った彼以外にもいる。ただ、リスクのあるセックスをしたのは、その彼だけ。

もちろん、アナルセックス以外にも感染リスクは存在することは承知してるが、感染時に起こると言われる発熱などの諸症状は、彼と付き合ってる期間の出来事で、付き合ってる期間には、他者とのセックスはなかった。

自分がHIVへの感染を疑った時、当然のように相手へ疑念を持ち、疑念をストレートにぶつけられずにいた。うっすらと自分以外ともセックスをしてる人がいることは感じてたものの、また、自分も彼にとってはそういう体だけの関係の中のひとりと自覚するのも避けてるように感じ、微妙な疑念が形を変えて表面化する嫌味が関係を悪化させたりもした。

そういうふうにしか対応できない自分、疑る姿勢だけの自分にも嫌気を感じ、しばらくたってから、やっと一緒に検査を受けることを提案することができた。

結果、2人とも+。

検査結果の帰り道、“支えていく関係で頑張ろう” とどんな目的に向かってるのかも判らない自分の姿勢とは反対に、検査結果の動揺なのか、彼はいろんな言葉を発しながら、何気に酷いことも言ってたり。 支え合うことを掲げてはいても、自分も自分がかわいいのだろう、溢れてくる不安に飲み込まれ何もできず、HIV+であること、ゲイであることを忘れるように、仕事に励み、仕事仲間と飲んだくれたり。余計なことを考えないように無心で泳いだり。

元気かな? 病院ちゃんと行ってるかな? と余計なお節介と共に、彼のことは思い出す。
唯一、自分がHIV+であることを知る彼だし。

それなりの時間が流れて、自分と向き合う時間も持てたりで、 幸せな気持ちで毎日眠りにつけられるよう自分なりに歩ければいいかと。

HIV+な自分にとって、恋するハードルは高く険しいものだけれど、未来のハプニングを歓迎する自分でいたいな。

そんなことを考える時間があったら、目の前のこと片づけ、来週、無事に検診に行けるよう、時間を捻出しなければ…。

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